「ARCTOS」で使用する部品について

Q10/Q7用外部バッテリーグリップ「ARCTOS」では、3Dプリント製部品から電子部品まで様々なものを組み合わせています。
使用する電子部品はBOOTHでまとめてキット品として頒布していますが、ある程度の知識がある方であればキット品を使わず、ご自身でお好みの部品を使用することも可能です。
以下、使用する部品について詳細をコラム的に記します。

・3Dプリント製グリップ


写真はグリップ組立後、ダミーバッテリーを接続した状態です。
グリップ外装は、お好みに応じて塗装や染色が可能です。(出力サイズが1辺100mmを超えるため、DMM.makeでの染色指定ができません。)
ナイロンおよびMJF(PA12)での出力が可能ですが、ナイロン出力で問題ないことを確認しています。
ランナー接合等はしていませんので、出力後そのまま塗装・組み立て作業に入ることが可能です。

・3Dプリント製ダミーバッテリー
ダミーバッテリーについては、単体で使いたいという方がいることも予想し、グリップとは別に注文する形式としています。
こちらはナイロン出力のみですがSTLデータのダウンロードも可能としましたので、何か電装パーツを自作したいという方は役立てていただければ幸いです。
カメラ内部へ挿入して使用しますので、造型時のナイロン粉末が侵入しないようにお気を付けください。

・18650バッテリー


グリップ内部に搭載するバッテリー本体は、近年大容量のリチウムイオンバッテリーとして入手が容易な18650サイズのものを使用します。
* 18650バッテリーを検索するとオーライト製の18650互換サイズのものがヒットしますが、正極と負極が同じ側にある独自仕様のため使用できません。ご注意ください。
充電モジュールに過充電・過放電保護回路を搭載するものを使用しますが、少なくともモジュールかバッテリーのいずれかに保護回路が必須となります。
カメラ本体の本来のバッテリー「D-LI68」が3.7V/1000mAhであることから、「大容量バッテリーグリップ」としては2000mAh以上のものが望ましいです。
幸い18650バッテリーでは2000mAh未満のものはあまり出回っていないため容量自体が問題となることは少ないと思いますが、充電電流には十分留意してください。
詳しくは後述しますが、国内外のネット通販サイトにて入手可能なTP4056を採用したUSB充電モジュールでは、出荷時の充電電流を1Aとしたものが多く出回っています。
ほとんどの18650バッテリーの場合、1C充電が可能と考えて差し支えないかと思いますが、使用前にバッテリーのデータシートにて問題なく使用可能かどうか確認してください。
もちろん充電モジュールの充電電流を変更することも可能です。
(100均のモバイルバッテリー内部に入っているような出所不明の安価な18650等は避けましょう。)

・18650バッテリーホルダー


18650バッテリーの格納に、グリップ内部へホルダーを配置する形式としました。
最も安価に入手可能な「巻き線ばね」タイプのホルダーを採用しましたが、付属の導線が細いので、余裕をもって24AWGくらいのものに交換しておくといいでしょう。
また、保護回路付きの18650は全長が数mm長いため、ホルダーへ取り付け可能か事前に確認しましょう。
ホルダーの大きさによって、本体かホルダーのいずれかを必要に応じて削ってください。

・USB充電モジュール


USB充電・給電には国内外のネット通販サイトにて入手の容易なTP4056を使用した充電モジュールを使用します。
TP4056を使用した充電モジュールにはいくつかの種類があり見た目も似通っているため、購入前に過充電・過放電保護回路を搭載しているかどうかしっかりと確認しましょう。
* 写真のものと同一構成であれば大丈夫ですが、より基板が小さく負荷端子のないものは充電「専用」モジュールのため保護回路が不十分です。お間違えの無いようお気を付けください。

写真のMicro USB Type-Bのものが最も安価です。グリップの加工が必要となりますが、より利便性の高いType-C搭載モジュールを選択することもできます。
充電モジュールに、バッテリーと負荷出力(ダミーバッテリー)を繋げることにより使用可能です。
モジュール上には充電中を示す赤色のインジケーターLEDと充電完了を示す青色のインジケーターLEDが実装されているため、後述の2色LEDによって外部へ引き出して使用します。
基板の初期不良をよく聞くため、購入後の目視による確認で不良個所が無いか、無負荷でUSB電源に接続して異常が生じないか(充電中LEDと充電完了LEDが点滅するか)確認しましょう。
18650充電用として、前述したように出荷時は1A設定となっているモジュールがほとんどですが、使用するバッテリーに合わせて変更も可能です。
TP4056のデータシートには制御用抵抗と充電電流との計算式が掲載されていますので、実際に18650バッテリーを充電する前にご参照ください。
USB充電中に負荷を入れる(カメラを起動する)と充電はカットされ、USBから負荷側への給電として機能します。

・2色LED
TP4056モジュールに実装されているSMDのLEDを外部に引き出して充電インジケーターとして流用します。
2色LEDはアノードコモンのものを使用します。色はお好みのものをご使用ください。
選択したLEDによっては電流制限抵抗の変更が必要です。
充電と完了とを別にしたい、グリップ内部から半透過させるのではなくグリップ外部にホルダーを取り付けたい、そんな場合はグリップ側の加工が必要です。
充電モジュール本体に実装されているLEDの拡散光で判断する場合、2色LEDは必須ではありません。

・導線
モジュール-ダミーバッテリー電極間の接続と、モジュール-2色LED間の接続、必要に応じてモジュール-バッテリーホルダー間の接続に使用します。
太さは24AWGくらいあれば十分余裕があります。グリップ内部の容量に余裕が無いため、取り回しも考えてもう一回り細くても可。
色はお好みで選んでください。最低限2色以上あると分かりやすいです。

・ニッケルストリップ
ダミーバッテリーの電極に使用します。
導電性がよく、加工がしやすく、なるべく薄い(0.5mm未満)ものがベストです。
はんだ付けのしやすさを考えると、ニッケルメッキ板の方がいいかもしれません。
幅3.5mm長さ10.0mmほどに加工し、はんだ付けをしてダミーバッテリー内に埋め込みます。
電極が動かないように固定し、またダミーバッテリー内でショートしないように電極部分以外の絶縁をしっかりと行ってください。

・熱収縮チューブ
はんだ付け箇所の絶縁に使用します。
余剰分の導線はグリップ内に格納されます。グリップ内でショートしないよう細心の注意を払ってください。